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図書館の再興

館長あいさつ

 

新アレクサンドリア図書館の初代館長として、ここにご挨拶できることをこの上なく光栄に存じます。地中海に面した海岸沿いのかつて古代アレクサンドリア図書館のあった場所近くに、大きくそびえたつ文化複合施設──この新アレクサンドリア図書館、『ビブリオシカ・アレクサンドリナ』は、国際的な展望と夢をかけたエジプトの国家事業であります。

この新図書館が、古代アレクサンドリア図書館を継承するにふさわしい存在になることを我々は切望しています。偉大なる古代図書館は、人類の智恵と想像力が融合して作り上げた比類なきものであり、その理念は今日にいたるまで、あらゆる科学者や知識人の魂に脈々と受け継がれています。それはまちがいなく、アレクサンドリアの歴史のページに記された最高のもののひとつです。アレクサンドロス大王によって築かれ、クレオパトラが居を定めたアレクサンドリアには、2300年ものすばらしい歴史があります。そして、ここは今もなお歴史が息づき、新たな想像をかきたてる都市です。カリマコスからローレンス・ダレルにいたるまで数々の学者やアーティストの創造力を喚起してきました。さらに、水中考古学によって、海底に沈んでいたアレクサンドリアの宝に光が当てられ、過去が忽然と蘇りました。そこには、いにしえの栄光の煌きが垣間見られ、当時の世界に思いを馳せることができます。

我々が新アレクサンドリア図書館の完成を祝賀するのも、こういう歴史的背景があるからです。ここは、800万冊の蔵書を目標とする図書館、3つの博物館、5つの調査研究施設、展示ギャラリー、プラネタリウム、およそ3000席の会議センターで構成されています。壁面を世界各国のアルファベットを刻んだグラナイト(花崗岩)で蔽ったこの斬新な建築は、新しいアレクサンドリア市の見事なランドマークとなっています。

未来に目を向ける前に、何よりもまず、四半世紀も前にこの大事業立ち上げのヴィジョンと夢を描いた人々に敬意を表したいと思います。ユネスコ(UNESCO)の支援と、建築の設計・技術・建設にたずさわった人々、プロジェクトの運営に関わった人々、そして採石場作業にたずさわった人々にいたるまで、すべての関係者の並々ならぬご努力に敬意と感謝を捧げたいと思います。また、世界中の図書館友好協会、国際協力委員会、ご尽力頂いた著名人の方々、政府や個人から頂戴した惜しみないご寄付やご寄贈に感謝申し上げます。プロジェクトをここまで推進できたのも、ひとえにこのようなご支援があったおかげです。あらためてここに深く感謝を申し上げたいと思います。また、この建設プロジェクトを常に背後から支え推進役を果たしてきたH.E.スーザン・ムバラク大統領夫人に、心より敬意を表します。夫人はねばり強く新図書館の意義を説明擁護して、継続的な進展への道を示してくださいました。夫人により掲げられた図書館の4大目標は感銘を与えるものでした。

新アレクサンドリア図書館がめざすべきこと:

  1. 世界中がエジプトを知る窓になること
  2. エジプトが世界を知る窓になること
  3. デジタルの時代に挑戦できる設備となること
  4. 人々と文化の意見交流の中心になること

 

前途は多難ではありますが、心湧き立つものがあります。新図書館が目指すのは、さまざまな特定の分野において国際的にも優れた中心的存在になることであり、この目標に沿って、コレクションの方針、セミナーや国際会議、展覧会、意見交換会の開催計画などが立てられていくことになります。

対象分野としては

  • 科学(特に科学とテクノロジーにおける倫理問題)
  • 人文科学(特に新学問と歴史研究)
  • 芸術と文化(特に異文化間の意見交換と批評)
  • 開発問題(特に水資源問題とジェンダーの問題)

 

新図書館が今後さらに発展していくには、現在の運営の方法にしても、セミナーや会議や展覧会などの特別の催しにしても、世界各地の優秀な研究機関との連携が不可欠です。しかしまた、これに優るとも劣らず重要なのが、エジプト国内や世界中の一般社会との関係です。ここで図書館友好協会が果たしている役割はたいへん大きなものです。

パトロン評議会の支援と、図書館理事会の指示を受け、またエジプト国内や世界中のアレクサンドリア図書館への友好協力図書館と絶えず連携をとりながら、我々スタッフは、この『ビブリオシカ・アレクサンドリナ』をその偉大な名にふさわしい研究施設にするために日々努力しております。ムバラク大統領夫人の言葉にあるように、ここが、かならずや「エジプトと世界の誇りの源」となるよう心から願う次第です。

  館長: イスマイル・セラゲルディン

館 長
イスマイル・セラゲルディン